シャンパンとホテルとそのあいだのこと

シャンパンとホテルと色恋についてのブログ

良い店はどこにあるのか

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 以前『「出会いがない」という人が買う宝くじは当たらない』というタイトルで出会いが欲しかったら、良い店に一人で通うのが良い、ということを書いたのだけれど、読んでくださった方から「では良い店はどうやってみつければ良いのか」という質問が来たので、それについて答えてみたいと思う。

 

 そもそも「出会い」という言葉が少々胡散臭いのだけれど、とは言え、それがなければ、人生はどうにも変わらず進まない。恋愛ということに関してはもちろん、その他、仕事も含めて、どんな人たちとつながっていくかということが、とても重要ではあろう。

 

 さっそく結論だけれど、良い出会いを期待できる良い店を見つけたければ、まず良い地域へ引っ越すべき、ということになる。「良い」の定義を先にしてしまうけれど、「自分の求めるライフスタイルに近い」ということが、「良い」という意味になると思う。だからまず自分がどうなりたいのか、ってことを少しずつでも考えなくちゃいけないのだけれど、それはちょっとうっちゃっておいて話を進めたい。「素敵な異性と出会って、仲良くなってあわよくば付き合いたい」って次元で考えるとわかりやすくなる。では「素敵な異性ってどんな人?」と考えれば良い。やさしくて、収入もよくって、教養もあって、話も面白くて、いい匂いがして、キスも上手で、セックスの相性が良くって、おしゃれで、周りからもちょっと羨ましがられるような人、なんて感じだろうか。べつにぜんぜん違っていても良いけれど。

 これについてまず触れておきたいことがあるのだけれど、それは漫画『アラサーちゃん(無修正)』の最新巻の5巻の中で描かれていたことでもあるのだけれど、「高学歴高収入と付き合うのに一番良いのは、自分が高学歴高収入になること」ということだ。教養のある人は教養のある人を選ぶし、だいたい人は金銭感覚が近い人と遊ぶ。テレビ番組『ホンマでっかTV』で心理学者の植木理恵先生がおっしゃっていたはずなのだけれど、自分の仲の良い友だち10人の平均年収が自分の年収と。そんなわけで、素敵な人と付き合いたかったら、自分が素敵にならないといけないわけである。人の魅力は外見だけではなくて、もう少しいろいろと構成要素がある。面白いとか知性とか品性とか清潔であるとか野心と実行力があるとか、いろいろ。ちょっと冷静になって世見を見渡すとその現実はけっこう散見されるはず。

 

 一度言わずにおいているうちに忘れたくないから余談をしたいのだけれど、日本は恋愛意識がかなり未成熟な国だということについて触れたい。高度成長期に夫婦に役割分担を明確に分けた感がある。夫はがむしゃらに外で働く、妻は家庭を維持して子供を育む。妻は母親専業になり(例え働いていても妻というより母のまま)、夫は(さして稼いでいなくても)稼ぎ頭。妻と夫の間は異性同士ではなくなり、夫はキャバクラや風俗で恋愛刺激を得て、妻は単純に我慢する。そういう合理的な流れは敷衍して、カップルのセックスの場所は時間性のラブホテル。終電でも帰れるし、コンドームもあるから安心。結果、男女は(特に男は)、頑張って素敵な部屋に住んで、清潔に保つという意識を捨てる。出会いすら、合コンというシステムで済ませる。結果、惹かれる異性に頑張って近づいて口説くという経験はしない。(だからつまらない男が多い。)セックスは、実地ではなく、アダルト動画で学ぶから、下手な上に失礼。エトセトラ。合理化の結果、日本の男女は性的に未成熟である。男性は、例に挙げたように不甲斐なく、女性だって口説かれるべき魅力を身につける努力を怠りがちではないだろうか。ラブホテルというものが欧米にはない(韓国や台湾、香港にはあるけど)。

 そんなわけで僕が思うに、日本の(比較的)男性は、性的に、恋愛上で、未成熟な方が多い。日本の歴史的な男女観の影響ももちろんあるのだろうけれど、それ以上に合理化の影響の方が大きいと思う。

 

 だから(以上で余談は終わったけれど)、良い男は、思いの外少ない。そんなわけで女性が良い男性を見つける、ということを考えると、貴重な良い男に見合う女にになる必要がある。(べつに逆だってそうだけど。)

 

 さて、そんなわけで良い恋愛対象とであるために、どうやって良い店を見つけられるのか、というと、まず良い街に住む必要がある。自分の求めるスタイルに近い場所という意味だけれど、所得と品性はある程度比例するので、家賃の高いところの方が良いということにもなる。多少無理して、良い地域に住むことから始めるべきに思う。しかし無理は続かないから、そういう環境で暮らし始めたら、収入を増やす方法を考えることになるだろう。転職なのか副業なのか、独立なのかわからないけれど、なんし自分が自分で理想に近づく努力はしないとならない。面倒だけれど。自分が馬鹿で貧乏なのに、頭が良くて金持ちの誰かに見初められるってことはない。

 

 そこまでしたら、おおむね、いろいろと出会いは発生するはずである。誰もが努力の途中でいるだろうけれど、努力している人は努力している人に気づくし、努力していない人は努力していない人と惹かれあう。例外もあって、恋愛以外で成功しているのに、恋愛だけうまくいかないという方もいるが、その場合はまずはプライドをぜんぶ捨ててしまう必要があるが、これはまた別のテーマになるから、今は詳しくは触れない。

 

 けっこう一貫して、要になっているのは「自分がどういう人間になりたいのか」ということを突き詰めるということである。多くの物語やドラマが示す歪められた「素敵な奥さん」とか「やり手のサラリーマン」とかステロタイプな人生は、無い。松濤の3億円くらいするほどほどの一軒家に住む綺麗な奥さんはいるけれど、彼女には彼女でいろいろな面がある。それに人生は続き、歳は重ねていく。成功者と言われる人たちに挫折を知らない人はものすごく少ない。政治家はみんな悪いわけじゃないし、保健室の先生は、ミニスカートを履いていない。ハリウッド映画の法を超えて正義を敢行する勇敢な主人公のほとんどが人を沢山殺しているから、本当なら絶対刑務所行きで、二度と出てこられないはずだ(どんな悪党でも個人が勝手に人を殺して良いはずがない)。言いたいのはフィクションが作り上げるいかにもな人生はないから、自分で自分の「こうありたい」を少しずつ作っていく他ない。人の決意なんてそんなに続かないから、一番良いのは環境を変えることで、環境とは、住む場所、職場、友だちである。

 

 良い店、がそんなに簡単な話にならなかった。自分のなりたい自分を探しながら、友だちや職場や住む場所を変えていく過程を経たら、自分が出会いたい人たちがいる場所を探すのは、そんなに難しくないはずだし、もしわからなくても「その時の」友だちの誰かが教えてくれるはずである。